アンドレア・シェニエ 国民劇場 オペラ

アンドレア・シェニエ Andrea Chenier

 

作曲:ウンベルト・ジョルダーノ

台本:ルイージ・イッリカ

初演:1896年3月28日ミラノ、スカラ座

 

あらすじ

 

時と場所:1789年パリ郊外(第1幕)と1794年パリ(第2,3,4幕)

 

第1幕:パリ郊外のコワニー伯爵の城

コワニー伯爵夫人の指図で夜会の準備が進む中、当家の召使ジェラールが、民衆の苦しみを顧みず快楽に明け暮れる貴族生活への憎悪と、我が身の境遇に不満を募らせ苛立っている。そして、老いてなおコワニー家のために働き続ける父親の姿に耐えかね暴言を吐く。そこに幼いころから共に育った美しい伯爵令嬢のマッダレーナが現れる。身分違いのかなわぬ恋。ジェラールはマッダレーナにその想いを告げることも許されない。
いよいよ夜会が始まり、芸術家や僧侶たちが来賓として訪れてくる。時はまさにフランス革命へと突き進み不穏なニュースも囁かれるが、それを払拭するかのように人々は陽気にふるまっている。一人にぎわいをよそに詩人のシェニエが黙り込んでいるのを見たコワニー夫人は、即興詩を披露してくれるように話を向けるがシェニエは応じない。令嬢のマッダレーナがそれならば私がと、愛という言葉を使って即興詩を作るように再度持ちかける。シェニエは「詩情は愛のように気まぐれ」とマッダレーナのからかい半分の態度に落胆しながらも、アリア「ある日、青空を眺めて」を歌う。シェニエの歌は、美しい青空と大地への賛美から、次第に貴族社会への厳しい批判となっていく。そしてマッダレーナに「あなたは愛をご存じないのですね、愛とは神様がお与え下さるもの」と言う。自らの信念を曲げることのない詩人シェニエの心情があふれる名アリアである。臨席の人々のひんしゅくをよそにマッダレーナはシェニエの堂々とした高潔さに惹かれて、自分の軽薄さを詫びる。
場の雰囲気を取り戻そうとガヴォットが奏でられる中、ジェラールが民衆を連れて現れる。召使の服を脱ぎ棄て去っていく。コワニー夫人はジェラールを恩知らずだと非難するが、しかしまた何事もなかったかのようにガヴォットが流れ、夜会は続いていく。

 

第2幕:カフェ・オットー

5年の月日が流れ、フランス革命によりパリの人々の暮らしは一変している。カフェで書き物をしているシェニエに、友人のルーシェは通行証を渡し、早くパリから逃れるように忠告する。しかしシェニエは「希望」という名の差出人からの手紙が気になっていて、パリをあとにすることが出来ずにいる。実は「希望」という名で手紙をよこしているのは、かつて夜会で出会ったコワニー伯爵令嬢マッダレーナなのである。コワニー伯爵家は革命時に没落して、今では侍女のベルシが娼婦に身をおとしながらマッダレーナを養いかくまっていた。一方コワニー家の召使だったジェラールは革命政府の高官となり、密偵を使ってマッダレーナを探している。ジェラールは憧れても手の届かなかったマッダレーナへの想いを「大空のように青い瞳」で歌う。パリの雑踏の中ベルシがシェニエに近づき、今夜マレー像の下に「希望」という名の女性が会いに来ると伝える。しかしジェラールの命令でマッダレーナを探すためベルシを尾行していた密偵にも、この言伝を聞かれてしまう。
夜になりシェニエは約束の場所に向かう。待ち合わせの場所に現れたマッダレーナは初めて出会った夜会の時に交わした会話「貴女は愛をご存じないのですね」と語りかけ、二人は再会をはたす。マッダレーナは革命によって、いかに悲惨な生活を強いられてきたかをシェニエに話す。シェニエはこれに応え「永遠に共に」を歌い、二人の愛の二重唱となる。そこに密偵から報告をうけたジェラールが現れる。マッダレーナを連れ去ろうとして暗闇の中、相手が誰であるのかを知らずに決闘になる。剣で負傷したジェラールはこの時、相手がシェニエであること気づく。そしてマッダレーナを守ってくれるように頼みシェニエを逃がす。駆け付けた仲間たちにジェラールは、見知らぬ者に傷を負わされたと告げる。

 

第3幕:革命裁判所の大広間

共和党員のマチューは、フランスの経済危機を民衆に説き寄付を募っているが、人々の関心を引くことが出来ない。現れたジェラールがマチューにかわって話し始めると、たちまち彼の訴えは民衆の心を捕える。人々が寄付をするなか貧しい盲目の老婆マデロンが歩み出て、革命で命を落とした息子の忘れ形見である十五才の最後の孫をも、国のために差し出すと歌う。アリア「私はマデロンという老婆です」によって更に人々の愛国心は更に煽られていく。カルマニョールの歌が流れ民衆が去っていく。ジェラールの元には、ついに逮捕されてしまったシェニエの告発状が用意される。何の罪も無いシェニエの告発状を前に躊躇するジェラールであったが、マッダレーナへの片思いがジェラールの良心を鈍らせ、ことさらにでっち上げた罪状の数々を告発状に書き込み書記官に渡してしまう。かつて革命の徒として高邁な理想に燃えていた我が身を思い、熱く歌う「祖国の敵」はジェラールの心の葛藤がみごとに表現されたアリアである。そこにシェニエの助命嘆願のためにマッダレーナがやって来る。ジェラールは、マッダレーナへの恋心からシェニエをおとしめてしまったことを告白してマッダレーナに迫る。マッダレーナはジェラールを拒むが、アリア「亡くなった母を」で、革命で母親が殺されたこと、地獄のような日々を、神から与えられたシェニエへの愛だけを支えに生きながらえてきたことを歌う。そしてシェニエの命を救えるのなら、ジェラールに自分の身を差し出すこともいとわないと言う。マッダレーナの一途で清らかな愛にうたれたジェラールは自らの行いを恥じ、シェニエを救うために長官に書状を送る。
いよいよ裁判が始まり連行された囚人達のなかにシェニエの姿があった。罪状が読み上げられ民衆が罵倒をあびせるがシェニエは凛として誇り高く、アリア「私は兵士だった」を歌う。与えられた恥辱に対し祖国のために勝利の旗を掲げるのだと。ざわめきが続く中ジェラールは告発状がでっち上げである事を告げるが、そのかいもなくシェニエに死刑の判決が下る。
この三幕でジェラールの「祖国の敵」マッダレーナの「なくなった母を」シェニエの「私は兵士だった」と続くアリアはまさに圧巻である。それぞれの人生が革命という個人の力ではとうてい抗うことのできない時代の力によってまったく違った方向へと決定づけられ、葛藤に苦しみ、喪失に絶望しながらも理想と愛に生きようとする三者の思いが胸に迫る。

 

第4幕:サン・ラザール刑務所

捕えられたシェニエは詩を書いている。面会に訪れた友人のルーシェに聞かせる「五月の晴れた日のように」は美しい自然が流れるように、死に向かおうとするシェニエの悲しくも気高い決意が感動的なアリアである。ルーシェが去ったあと、マッダレーナとジェラールがやって来る。ジェラールはマッダレーナがシェニエと面会できるように計らい、残された僅かな時間もシェニエ助命のために最後まで尽力すると言って出て行く。マッダレーナは牢番に金貨を与え明日シェニエとともに処刑されるはずの女死刑囚と自分を入れ換えさせる。面会のかなったシェニエにマッダレーナはともに死に向かうことを伝える。二人はかたく抱き合い、アリア「悩める魂もあなたのそばで安らぐ」によって死は愛の勝利であると歌い永遠の愛を讃える。護送車が到着し死刑囚の名前が呼ばれる。シェニエとマッダレーナは「私です!」と答え、手に手を取って断頭台への護送車に乗り込んでいく。(幕)

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国民劇場 プラハ

国民劇場(こくみんげきじょう、チェコ語: Národní Divadlo)は、チェコの首都プラハにある劇場。チェコの歴史と芸術を代表する建築物である。

 

国民劇場は、音楽の盛んなチェコにおける最重要機関であり、チェコを代表する芸術家らによって創設、維持されてきた。この伝統により、チェコの言語、音楽、思想などが保存・発展してきたものである。

 

今日では、国民劇場はオペラ、バレエ、演劇を提供している。いずれも、著名なクラシックなどに限定せず、地域のものや現代のものも上演している。

 

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